80:名無しNIPPER[saga]
2018/04/06(金) 18:25:20.71 ID:LZXIfz580
私も前までは、花言葉の存在を気にしていたと思う。
図鑑には絵とセットで載っているし、花について何かを語る上で外せないことだとも思っていたから。
けれど、いつの間にかほぼ気にしなくなっていた。
「きっと意味なんてなくてもいいんだよ」
私の言葉に、彼は不思議そうな顔をした。
「花言葉はたいていが観たまま感じたままを表現したもので、ひとつの花をとっても意味が決まってるわけじゃないの」
たとえばミモザなら、"友情"や"感受性"もしくは"秘密の恋"。
繋がりがないわけではないが、誰が、どこで、それだけでも変わってきてしまう。
三つ目の"秘密の恋"は、どこかの民族が想い人に愛を伝えるために用いたからだったと思う。私たちには馴染みのないことだ。
「ほかにも、名付けた人の出身地の歴史伝統を踏まえてだとか、そういう難しいタイプの名付け方もあって……。
でもどっちにしたって見知らぬ誰かの定めた意味よりは、実物を目にしたときの自分の感覚の方が信用できると思いたいなって」
「なるほどね」と彼は頷いた。
それから何かを思い当たることでもあったのか、微妙に口角を上げる。
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