追われてます!'
1- 20
7:名無しNIPPER[saga]
2018/02/08(木) 14:43:32.78 ID:NWn4bXkJ0

 彼女は私を見下ろしていて、私は彼女を見上げている。
 背伸びしなくてもいいように屈んでくれている状態が、いつのまにか普通になっていたことに気がついた。

「それって」と言いながら、私は椅子にもたれていた背中を外して、彼女の手を引っ張る。
 予期していなかった行動だったのか──私自身も無意識のものだったけれど──彼女の身体は存外簡単に、てこのようにこちらへと近付く。

「べつに、今と変わらないですよね?」

 肩の位置を合わせてそう発すると、部長さんはじっと私を見つめて、先に窓の方へと目を逸らした。

「うん。……よろしく」

 頬をぽっと朱に染めて、ごにょごにょと小さい声で紡ぐ言葉に、私まで少し気恥ずかしくなる。

 彼女がたまに見せる素の反応は、とても少女的で、かわいらしくて、
 口元が自然に緩むと同時に、自分の心のなかの一部が、静かに揺らめいたように思えた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
341Res/257.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice