2:名無しNIPPER[saga]
2018/02/08(木) 14:39:57.45 ID:NWn4bXkJ0
【届けたい何か】
「それでさ」と部長さんは本題に入ろうと話を切り替える。
「これだけってわけではないんでしょ?」
両手に掴まれていたノートはすでにダイニングテーブルの上に置かれていた。
そして、目を移した先にある彼女の視線は私をまっすぐとらえて離さない。
「文の良し悪しについては、私が畑違いなこともあってあんまり分からないし、さっきみたいに率直な感想しか言えないんだけど……」
少しばかりの間をとり、吐息混じりに軽く頷いて、
「これはわかるな」
と言う。目からはかなりの自信が窺えて、最初から話そうとは思っていたけれど、それを加味してもちょっとだけ話しやすくなったように思えた。
「わかるって、何をですか?」
だから、彼女の誘導に従って、そう訊き返す。
すると彼女はその言葉を待っていたように、ふふんと鼻を鳴らしてから、もう一度ノートに目を戻した。
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