176:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:24:05.76 ID:CaJ2VfCb0
言わんとしていることがわかるからこそ、軽率な反応は取れない。
目線が平行なら見える景色も変わるし、考え方が変わればなおさらだ。
「ごめんね。こんなこと言って」
彼女は苦笑しつつ頬を掻いて、前を通り過ぎていく人たちに目を向けた。
「……この前のことも、ごめんね」
「……いや」
「私、勝手なことばっか言ってたよね」
「そんなことないよ」
自分で言っておいて、その言葉の白々しさにため息が出る。
すぐ取り繕おうとするのをやめたいと思ってもなかなか上手くはいかない。最近はいつもそのことを考えている気がする。
「本当のことを言うと──」と、言い訳のように前置きして、
「あながち間違ってもなかったから。全て合ってはいないけど、どちらかといえば……」
「……」
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