114:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 00:27:24.17 ID:MVi1fTqy0
「私まったく分からないから。シノちゃんが選んでね」
そう野菜コーナーで言われたときは、この人もしかして人任せにしようとしてるんじゃないかと疑ったけど、どうやら本当のことらしい。
昔はしてたんだけど下手すぎてやになったの、と言ってはいたが、きっとそれが全てではないだろう。
「料理、たまにはした方がいいですよ」
レジの順番を待ちながらそう言うと、
「シノちゃんが作りに来てくれるとか一緒に料理してくれるならしてもいいけど?」
と返されたものだから、私はとりあえず「ならいいです」と首を横に振る。
それから二、三同じような会話をして、離れ際に、
「だって一人で作って一人で食べるなんて、そんなの寂しいじゃない」
か細い声でぽつり呟かれた言葉は、きっと聞き間違いではない。
ちょっと前までの自分を思い出して、少しだけ胸がチクリと痛んだ。
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