109:名無しNIPPER[saga]
2018/04/20(金) 01:49:05.03 ID:fFo8HSJq0
「ごめん」
「いいってことよ。まあ、それさえ心に留めててくれればな」
「……楽しいよ、ふつうに」
「あんま言い過ぎると価値が半減するぞ」
おまえが言えっていったんだろ、と思ったが、要は使い方か。
浅く吐息をついてから「そっか」と呟いた俺に、彼は鼻で笑うことで返事をしてくる。
それから、彼は部室の扉の取っ手に指を掛けて、
「いちゃつくのはいいけどできればほどほどにしてくれ。親友二人が彼女持ちとかメンタルズタボロだから」
と言いつつ、反対の手の人差し指をこちらに向けて突き出した。
恨み言のような言葉とは対照的なやさしげな声音に呆気にとられて、俺は軽口のひとつも返すことができなかった。
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