23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/08(木) 23:46:24.85 ID:eKF+OPoOo
「田中さんは確かに優秀だよ。でも初めから完成されてる"優等生"じゃ
将来性にも期待できないしファンも自分を重ねられない。応援の幅も狭いからね。
……即戦力は惜しいけれど、後々の伸びしろを考えればこれは彼女の為でもある」
千早が怪訝そうにその眉をひそめ、「どういうことです?」と訊き返してくる。
俺は田中さんの資料を眺めながら。
「……これは、俺の勘だけどね。彼女は今日のオーディションに落ちたって、
その優等生っぷりから『しょうがないな』と諦めきれちゃう良い子なんだよ。
もう一度挑戦しようと思う前に、ああ、自分には無理だったって」
答えた後で、それでも俺は考えていた。キッチリとした丁寧な筆跡で書かれた無色に見えるプロフィールは、
確かに面接で披露された理路整然とした彼女自身を表しているように思えるけど……。
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