47: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/02/08(木) 02:18:43.59 ID:1k4n5Mtx0
○
場内に、間もなく開演となることを告げるアナウンスが響く。
スタッフの人達がわたわたと忙しなく動き回っている。
暗い舞台袖で、アタシとプロデューサーはそれを眺めていた。
「そんな心配そうな顔しないでよ」
今にも泣きそうな顔で、拳を握りしめているプロデューサーを見ていたら、緊張はどこかへ行ってしまったようだ。
「だって」
「ホント、本番に弱いよね。この無理難題持ってきて、大口叩いたの、プロデューサーなのに」
「それはそうだけどさぁ……」
すぅ、と息を吸い込んで、吐く。
それを三度繰り返し、背筋を伸ばしてマイクを握りしめた。
出番を告げるブザーが鳴る。
「大丈夫。貴方の育てたアイドルだよ」
熱いくらいのスポットライトが射すステージへ、アタシは駆けた。
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