北条加蓮「運命的、あるいは作為的」
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46: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/02/08(木) 02:18:10.94 ID:1k4n5Mtx0


そうして、遂にデビューの日がやって来た。

プロデューサーと二人で前座をやらせてもらう今日の主役のアイドルのもとへと挨拶に行き、そのあとで宛がわれた楽屋で準備を整える。

パテーションで雑に仕切り、そこで衣装に着替えた。

「覗かないでよ?」

「覗かないって」

緊張していないと言えば、嘘になる。

そのせいか、いつも以上にプロデューサーと交わす軽口も多いように思う。

でも、どこかわくわくしている自分もいた。

「どう、かな」

着替えを済ませて、プロデューサーに衣装を見せる。

いつかテレビで見た、憧れのドレスを身に纏う自分。

感極まって涙が溢れそうになったが、寸でのところで踏み止まれた。

踏み止まれた理由は、アタシ以上に感極まっている人が、目の前にいたから。

「また泣きそうになってる」

「なってない」

「ちょっと声震えてるし」

「震えてない」

プロデューサーをいじっていると、不思議と緊張はほぐれていった。



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