北条加蓮「運命的、あるいは作為的」
1- 20
3: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/02/08(木) 01:44:04.09 ID:1k4n5Mtx0

■ 1 



真っ白な牢獄にも夏は来る。

うんざりするほど青い空に、もくもくと盛り上がる入道雲、それからやかましい蝉の声。

生命の躍動を嫌でも感じさせられるこの季節は、一年の中で最も自身の無力さを思い知る。

檻の外に出ることは許されず、このまま一生をここで過ごすことを定められた自分にとって、夏は苦痛以外の何物でもない。

のっそりとベッドから体を起こし、テレビカードの残額を確認して、溜息を吐いた。

お母さんが来たときに、また買ってもらわないと。

辛そうに笑顔を作る母の顔を思い浮かべて、また大きな溜息を吐いた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
55Res/34.59 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice