16:羽根ペン ◆u/aQt5mEvU[sage]
2018/02/10(土) 02:07:13.28 ID:UUqXzVAf0
アーレ歴248年植の月2日 天候 晴れ
村の礼拝堂は記憶の物と一切の違いはなかった。そこで祈りをささげてから、山の祀神様の元に向い、その道中は獣しかいなかった。祀神様がいらっしゃるので魔物がいるわけではないが、時たま強い力を持つものが紛れ込むことはある。気を抜いてはいけない。
祀神様がいらっしゃる泉はこれもやはり記憶と違わず静謐で神聖であった。祀神様は私が来ることを予見していたらしく、私が着いた時にはすでにお待ちになっていた。そこで一言二言奏上したら帰ろうと思っていたのだが、祀神様には私に伝えることがあったらしく、引き留められ祀神様の祠まで伺うことになってしまった。
祀神様は私に「何か望むことはあるか」と仰った。私は本当に特に望むことがなかったので「ありません」と申したのだけれども、「そうか、ならば未来に望むことをあらかじめ叶えてやるとしよう」と何らかの御業を行使した。そもそも何故望みを叶えるという話なので、それを聞いたところ「お前はこの旅で大事を為す」としか教示してくれなかった。
その後は特に何も無く、私は祠から出て村に帰ったのだが、大事とは、そもそも私の未来の望みとは何かが如何しても気になってしまった。
今日は村を挙げての宴会ではなく、私の両親にエリの家族を交えての小さな宴会が催された。多くは私の騎士団時代の話だったが、村の話も聞くことが出来て実に感慨深いものがあった。祀神様のことは伝えなかった。
明日の朝、村の皆に別れの挨拶をした後、私は本格的に旅立つことになる。夜遅くまで皆と会話を楽しんだ。
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