【モバマス】琥珀色のモラトリアム
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/03(土) 00:21:27.04 ID:vBuyWfgt0
ガラガラと音を立ててドアを開くと、先に来ていた数人の生徒達が此方をチラリと見る。音の主がボクであることを確認すると、何事もなかったかのように各々の勉強へと戻っていった。興味が無いのはボクも同じことで、窓際一番後ろの己の席へ速やかに腰を下ろした。シャープペンシルと紙をめくる音が単調な旋律を奏でる中で、ぽつりぽつりと教室の席が埋まっていく。張り詰めた面持ちでひたすら赤本を解いている者、青褪めた顔で何かを考え込んでいる者、余裕なのか諦念なのか机に伏して寝ている者など、様々な感情の浮島が空席の海に並んでいた。
半分程度が集まった辺りで、8時30分のチャイムが鳴った。グラウンドから運動部の声が遠く聞こえる中、一限の教諭が教室へと入って来る。

「よーしちゃんと来てるな、○○大の入試で人が少ないけどこういう日こそ集中してやるように。それじゃ始めるぞ、今日は××大の過去問からーー」


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