速水奏「夢で逢えたら」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/02(金) 18:17:11.84 ID:tTi/N0cm0
 それにしても、よく寝ている。

 あまりに無防備な寝顔を見ていると、奏のちょっとした悪戯心が顔を出してきた。

「ねえ、Pさん……本当に、寝てる?」

 言いながらも足音を立てぬ様にゆっくりと近付いていく。

「駄目だよ、お仕事中に居眠りなんかしたら」

 彼の隣に腰を降ろす。まだその目は開かない。

「貴方の担当アイドルにイタズラされても――」

 顔を、寄せる。

「……………………………」

 規則正しい寝息が聞こえてくる。

 未だ開かれない瞼が目の前にある。意外と長いまつ毛をまじまじと見つめる。

「………………………………………………」

 已然、起きる気配は無い。

 余程疲れていたのだろうか。きっとそうなのだろう。

 思い切って頬に指を当ててみる。

 こうしてじっくり顔を見るのは、一週間ぶりだろうか。ようやく逢えたというのにそちらは気付いてもくれないとは。

 悔しいから顔に爪の跡でも残してやろうか。

 剃り残しの青髭がざらざらする。そのまま唇の端までたどり着く。

 こんなに近くに、あの人の顔が――

「Pさん……」

 ――キス、しちゃうよ?


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