12:名無しNIPPER[saga]
2018/02/02(金) 13:46:52.12 ID:waCKbWuD0
【事務所〜志希ラボ】
志希「・・・これ飲んで」
ビーカーで入れたコーヒーは初体験だ。ちょっとあれじゃねえの?
P「で、何の話だよ」
志希「・・・マッマ。あたしたちのお母さんのこと。聞いて。お兄ちゃん」
P「・・・」
志希「マッマは本当に結婚したかったっていうあたしのお父さん・・・ダッドのところに行ったのは知ってるんだよね?」
P「・・・ああ。そこまでだな。そんでまあ、出ていった年考えると結構すぐお前が生まれたんだろう?」
志希「・・・あたしギフテッドってやつなんだ。超天才ってやつなの」
P「へー」
志希「あ、興味ない感じだね?・・・アタシが小さい頃はちゃんと家族団らんしてたんだ。すごい幸せだった」
志希「でも、だんだん上手く行かなくなってさ。・・・ダッドって超天才の化学者なんだけどさ。かなりぶっ飛んでるんだ」
P「・・・お前のそれは父親の影響か」
志希「そうかもしんないしそうじゃないかもしんない」
志希「・・・最初は良かったんだ。私が真似して、できるようになって、すごいなってなってさ」
志希「でもさ、お兄ちゃん。あたしたちのママって天才とやっていける人だと思う?」
P「・・・多分無理だな。あまり記憶もないけど、サポート的なことは一切できない人だった」
志希「うん。そうなんだ。普通の人達なら大丈夫だったんだろうけど、そんでダッドとの生活にマッマが疲れてきちゃったんだ」
志希「ダッドが海外に行くことになったのもその影響があったと思う。で、アタシとマッマは二人暮らしを始めた」
P「・・・でもお前も天才だった」
志希「うん、そう。マッマがさ。壊れかけたんだ、だからあたしもパパのところへ行った」
P「・・・そうか」
志希「あっちでの研究も最初は楽しかった。でもあたしよりぶっ飛んでるダッドとの生活がうまく行かなくなっちゃって」
P「・・・それで両親と離れたのか」
志希「一回マッマに会ったんだけどさ。お兄ちゃんのこと謝ってた。ごめんなさいごめんなさいって」
P「別に許さないけどな?・・・娘がほしかった。息子いらねえって言ってたのにお前まで捨てたのかよ何してんだよあの人って思ってるぞ今の俺」
志希「うん、お兄ちゃんはそれでいいと思うよ。で、これは一緒に暮らしたら駄目だってことで、今はマッマのお母さんと暮らしてる」
P「・・・俺の見解ではさ。今になって思うことは。あの人は・・・俺の母は恋する乙女なんだよ」
志希「・・・」
P「恋に恋して、結婚しても母じゃなくて娘のままだった。理想が高くてギャップを埋めるためにしょっちゅう失踪してた。俺を置いてな」
志希「あたしらの失踪癖は間違いなくマッマ譲りだよね〜」
P「そうだろうな。俺もそう思うわ。・・・親父もいい顔してなかったのは子供心にわかってた。俺も父方の叔父の家には結構行ってたよ」
志希「乃々ちゃんの家?」
P「そう。親父も生活能力があまりなかったんだよ、叔母さん・・・乃々の母親には本当に世話になった」
志希「・・・ねえお兄ちゃん。あたしたちさ、家族になれないかな?」
志希「最低な人だったり拒絶されたらどうしようって思ってた。でもお兄ちゃん優しいんだもん。」
P「・・・本心では何思ってるかわからないぞ」
志希「それでもいい。あたし、お兄ちゃんと家族になりたいよ。そのためならどんなことをしてもいい」
P「・・・悪いが、それはできない」
志希「どうして?兄妹だよ?一緒に暮らしてもおかしくないよ?」
P「俺は一人で生きていきたいからだ。家族はいらない」
志希「・・・そっか、残念だよ。それ飲み終わった?・・・そろそろ薬効いてこないかな?」
25Res/29.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20