11:名無しNIPPER
2018/01/31(水) 23:13:29.38 ID:DWbRssyX0
扉が閉まるとほぼ同時に提督が立ち上がった。
「待たせたな。二人はいいって?」
「みたいです。甘いお酒でも用意してみますか」
「それもありだな。ほら、座れよ。呑みたくてこっちはうずうずしてんだ」
「もう。言っても、呑みすぎは体に毒ですからね」
なんて当たり障りのない言葉を紡ぐ。黙っていては口の端がにやけるのに気付かれてしまいそうだから。
意識的に顔を視線から外そうと、私は酒を注ぎ、小皿に身欠きにしんを取り分ける。
「お前は本当にうまいものが好きなんだな」
「みんなそう言いますけどね、違うんですよ」
私が好きなのは、おいしく食べることなので。
あなたと一緒のひとときだけで、十分お腹が満足なのです。
「乾杯」
切子がちりんと涼やかに鳴った。
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