モバP「アイドルにサスペンスドラマの犯人役のオファーだって!?」
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28: ◆P4gW9oKees
2018/01/30(火) 00:48:45.10 ID:8H69sTV40
「殺人者の気持ちを知りたい」

私の動機はこれです。
…えぇ、私の理性などというものは、とっくに崩壊しているのでしょうね。

さて、前置きが長くなってしまいました。

これから私は殺人を犯すわけですが、そう簡単につかまっては面白くありません。
せっかくですから、過去に読んだ小説をヒントに、完全犯罪というものを目論んでみましょう。

幸い、呼び出しておいた彼女が来るまでもう少し時間があります。
確認をするくらいはできるでしょう。

まずは指紋を残さないための手袋です。
証拠を残さないための基本ですね。
読んだことがある小説でも、衝動的な犯行だったために指紋を残してしまい、それが証拠になるケースがありました。

次は殺害方法です。
なるべく痕跡を残さない方が良いでしょう。
刺殺や撲殺は以ての外です。
血痕が付着してしまった場合、それを完全に拭き取るのは困難です。
小説の中では、完全に拭き取れなかった血痕がルミノール反応によって発見されてしまい、それが証拠となってしまいました。
今回は、紐で首を絞める絞殺にしましょう。
もっと痕跡が残らない殺害方法もありますが、今回の場合は絞殺が現実的でしょう。
絞殺にも、「紐やロープの痕が手に残ってしまう」というデメリットがありますが、これは時間が経てば消えてくれます。

次に遺体の処分方法です。
先程「時間が経てば」と言いましたが、すぐに遺体を発見されてしまっては意味がありません。
できるだけ見つからないように遺体を隠すか処分してしまう方が良いでしょう。
最も良いと思われるのは、遺体を燃やしてしまうことです。
多少見つかりやすくはなってしまいますが、顔を潰した上で遺体を燃やせば、個人の特定は困難になります。
指紋は焼けてしまい、顔はわからず、歯形も参考になりづらいとなれば、被害者を明らかにするまでにかなりの時間を要することでしょう。
そして、遺体を燃やしてしまうことで、遺体に付着した私の髪の毛などの僅かな痕跡まで消し去ってくれます。
それでも手袋をするのは、やはり燃え残ってしまうことが怖いからです。
ヒトの身体というのは、水分が多く意外に燃えにくいものです。
しっかりと燃えるのを確認できるまでその場にいるわけにもいきませんし、早く発見されて消火されれば、それだけ燃え残る部分も多くなります。
そのような場合に少しでも痕跡を残さないために、油断は禁物です。

次はアリバイです。
これもトリックの基本ですね。
簡単に言ってしまえば、その時間にそこに私がいなかったことを証明できれば良いわけですが、これは変に凝る必要もないでしょう。
あまりにもアリバイが完璧であるのは逆に不自然に思われるパターンもあります。
遺体を燃やすことで、どこまで正確に死亡推定時刻が明らかになるのかはわかりませんが、アリバイは持っておくに越したことはありません。
今回のアリバイトリックは単純です。

今、私はこの部屋から離れた書庫で本の整理をしていることになっています。
ここは、その書庫からぐるりと廊下を進んだ先の倉庫で、途中に人が多くいるエントランスを通ることになりますが、倉庫を出てすぐの場所にある窓から裏庭に出れば、人目につかずに

書庫の裏までたどり着けます。
ここへ来る時は、その書庫の窓から裏庭を通ってここまで来ました。

さて、そろそろ彼女が来るのでトリックの説明は後にしましょう。


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