モバP「アイドルにサスペンスドラマの犯人役のオファーだって!?」
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◆P4gW9oKees
2018/01/30(火) 00:47:57.44 ID:8H69sTV40
[鷺沢文香編]
私は、自他共に認められるほどの濫読派ですが、それでもあまり好まないジャンルはあります。
「好まない」と言うと少々語弊がありますね。
「登場人物の気持ちがわからない」と言いましょうか。
ミステリ小説を読んでいるときの私は、物語の中というよりは、どこか俯瞰でただただストーリーを眺めているだけだったということに、最近気づきました。
「ミステリ小説」と一口に言っても、さらにそのジャンルは多岐にわたります。
中でもとりわけその感覚が強かったのは、いわゆる「推理小説」でした。
登場人物が主に殺人などの犯罪を犯し、様々なトリックでそれを隠蔽し、探偵や刑事がそれを解き明かしていく、というのが基本構築ですね。
近年では、その基本にあてはまらない作品も多くあるわけですが、私はこのような作品に登場する人物の気持ちがわからないのです。
その理由として考えられるのは、「私が経験をしたことがないから」でしょうか。
もちろん、小説である以上フィクションですから、非現実味を帯びているのは当たり前です。
私は、恋愛も冒険も経験はありませんが、それを想像することはできます。
故に、同じく非現実味を帯びている恋愛小説であったり冒険小説であったりといったものでも、私はその世界に入り込み登場人物に共感をしたり反感したりできるということです。
対して、犯罪を犯す、ということは、私には想像もつきません。
例えば、この国では殺人は犯罪とされています。
にも関わらず、ニュースでは頻繁に殺人事件が報道されていますし、推理小説の中でも登場人物が殺人を犯すことは少なくありません。
それでも殺人を犯すのは、それに至る動機があったからでしょう。そこまでは私にも想像ができます。
その動機は金銭目的であったり怨恨であったりと様々ですが、私は、罪を犯してでも、と考えるほど金銭的に困ったことはありませんし、人を恨んだこともありません。
もちろん、そのような人の方が多いのでしょうし、大抵の人は理性が罪を犯すことを止めます。
しかしながら、私の中に蠢く経験欲が、知識欲が、私の理性でも押さえつけられないほどに増大していくのがわかります。
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