22: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/01/28(日) 13:14:00.70 ID:z2Y7iDdr0
◇
楽しかった初詣デートも少しづつ終わりに向かっています。
参道を戻る道すがら、今度はカランと高い鐘の音が聞こえました。
「あっちで福引やってるみたいですね。さっきの福引券のやつでしょうか。」
今、私の手元には3枚の福引券があります。
具体的にこれといった欲しいものがあるわけではありません。
でも、きらきらとし始めた世界の中で、ちょっとだけ確かめてみたいことがでてきました。
「あの……プロデューサー」
「はい、なんでしょうか?」
「私、福引やってきてもいいですか?」
昔から欲しいものは願えばだいたい手の中に来てくれました。
でも、今欲しいものはもっとあいまいな何かで。そして私はそれをちゃんと掴めるような気がするんです。
だってひとりじゃないから。ひとりだったらただの幸運に過ぎないことだって、幸福に変えてくれる人がいるから。
「その……今ならただ運がいいってだけじゃなくって、きっと幸せを見つけられる気がするんです」
「どうぞ」
プロデューサーは優しく笑ってくれました。私の想いがちょっぴり伝わったのか、それは私の大好きな笑顔でした。
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