【モバマス】 塩見周子「なか卯には人生がある」
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28:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/28(日) 03:50:24.82 ID:nBRbhFMNO
周子(あたしは特に、地元に深い思い入れがあったわけではなかった)
周子(……だけど、なんだかんだいってあたしはこの街が好きなのだろう)
周子(特に夜……。観光客で溢れる日中とはまた違う顔を見せる)
周子(京都タワーを通り過ぎ、烏丸通を歩くとすぐに東本願寺が現れる。そこから路地に入った)
周子(今回は短期の滞在だから、キャリーケースは持ってこなかった。なので旅行用のリュックを背負っている……。ライブの衣装などは衣装班・機材班となった業者の方々が運んでくれる。しかし、そうは言ってもあたしも一応女の子なので、そういった女の子らしい私物でそれなりの重量はある……)
周子(そんなリュックを背負って、あたしは夜の街を徘徊する……。気付くと和泉屋町の路地にいた)
周子(昔ながらの町家造りがずっと続いて、それをお洒落な街灯が照らしている。昼間とは違う、どこか妖しい雰囲気……。あたしは昼の街より、夜の街の方が好きだった。現実世界と冥界がリンクしたような、そんな雰囲気が夜の京都にはある)
周子(……そう。なんだかんだいって、あたしはこの街が、京都が好きなんだ)
周子(そう感じると、様々な感情があたしの中を巡っていく……)
周子(長距離の移動と重い荷物で疲れているはずなのに、あたしは気付くと振り出しとなる京都駅へ戻って来ていた)
周子(和泉屋町や美濃屋町まで行ったらあたしの実家はもう近いのに、気付くと駅へ戻っていた……)
周子(何故、あたしは帰りたくないのだろう――そう考えると、僅かに父の顔が浮かんだ)
周子(父は、あたしのことをどう思っているのだろう――)
周子(半ば無心で、反対側となる八条西口に来ていた……)
周子「……おなかすいたーん」
周子(京都特有のネギだくラーメンを提供するラーメン屋があったんだけど、ぼーっとしていてここまで来てしまった……。散々歩いてお腹も空いている)
周子「――あっ」
周子(どこかで空腹を満たそうと思ったら、目の前に『なか卯』が現れた……)
周子(あたしはその時、プロデューサーさんの顔を思い出す――)
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