【モバマス】 塩見周子「なか卯には人生がある」
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/28(日) 03:15:05.48 ID:nBRbhFMNO
周子(そう言って、プロデューサーさんは頭を下げた)
周子(あたし以上にあたしを知っている、アイドルにさせようと頭を下げているプロデューサーさん。彼がここまで熱くなっているのに、何もできない自分が本当に情けなく感じた)
周子(父はあたしを見る――その目は、『お前はどうなんだ?』と言っていた)
周子(その時、諦めてしまった想いに再び火が灯るのを感じた)
周子(あたしはプロデューサーさんの横で、彼と同じように頭を下げる)
お父さん、あたしに夢を追わせてください。
周子(それしか言えなかった。それ以上何か言おうとすれば、泣き崩れてしまいそうだったから)
周子(どれくらい時間が流れたか――しばらく続いた沈黙の後、父は『好きにしろ』と言った)
周子「……」
周子「ごちそうさまでしたー」
周子(少しだけ休憩するつもりが、喫茶店に長居してしまった。あたしはようやく目的地へ向かう――)
周子「またここへ戻ってこられますように――いや、戻ってきます」
周子(目的地は神田明神。あたしはサッと参拝を済ませ、境内を後にする)
周子(明神さんの周辺は花街だった名残があり、路地には料亭だったと思われる趣深い和風な建物が存在する)
周子(そこを遠目で眺めていると、ほんの微かに地元の匂いがした……)
周子(そうして、来た道を引き返す。聖橋に差し掛かると、神田川の大きなお堀をメトロ丸ノ内線と中央線の電車が走って行く……。少し遠くに見えるのは秋葉原のビル群かな……)
周子(過ぎ去っていく人々……。近くに医科歯科大学があるみたいなので、恐らくそこの学生さんとか、大学病院に通う患者さんとか、そういった人が多いかもしれない)
周子(そんなことを考えながら、あたしは足を止める……)
周子(――あのひと悶着の後、あたしは上京した)
周子(そして、あたしはプロデューサーさんのもとでアイドルになった)
周子(彼の言う一人前になれたかどうかは分からない……。だけど、彼のおかげで今もこうしてアイドルをやれている)
周子(あれから何年も経ったわけではない。けれど、慌ただしく過ぎていく毎日は確実に昨日を、その前を遠い過去へ流していく)
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