12:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 18:54:41.52 ID:QxgIwWOp0
中学一年の冬でした。空には鈍色が広がっていました。体育の授業でした。
体育館は他のクラスが使っているということで、私たちのクラスはマラソンになりました。
冷たい風が肌に突き刺さるこの時期に、殺風景なグラウンドを走りたいと思うのはよっぽどの少数派で、
多くのクラスメイトは「寒い」や「やだ」を繰り返し、そして私も例に漏れませんでした。
私は小声で、
「寒いんですけど……。めんどくさいんですけど……。早く帰りたいんですけど……」と呟きました。
私の言葉遣いは、いい子であった頃の名残とひねくれが混ざって、とても独特なものへと変化していました。
(といってもこの頃は話す機会も少なく、いざ他の人と話すとなると、怯えながらに丁寧語を徹底していましたが)
ひねくれた私は、よく一人きりのときに、その妙な言葉遣いで、
弱音のような励ましのような言葉を自分へとかけ続けていました。
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