モバP「雪の日に、特別な」
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3:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 06:06:51.51 ID:RpqNEFizo

幸いにして、事務所で寝泊まりすること自体は簡単だ。

仮眠室があるため寝床の心配はない。

ドーナツやクッキー、パウンドケーキなど、甘味に偏っていることに目を瞑れば食品も豊富にある。

着替えまでは用意がなかったが、一晩程度ならさほど支障はないだろう――菜々さんは少し気にするかもしれないが。

「法子ちゃんたちには感謝ですけど、せっかくですから何かあったかい物が欲しいですね……あ、ちょっと待っててください」

そう言って菜々さんが向かった先は給湯室。

取り出されたのは、麦茶のティーバッグであった。

菜々さんが持ち込んだもので、夏場は大好評だった品物である。

「お湯出しのタイプですから、冬場に飲んでも大丈夫なんです!」

ぱっちりとウィンクする菜々さんは、実に可愛らしく、そして頼もしい。

飲料の備えは他にもあるのだが、それらの選択肢は一瞬にして消し飛んだ。

同時に、私も一つささやかな秘密を菜々さんに打ち明けたくなった。



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