99:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/04(日) 23:56:35.69 ID:gbrZvsqSo
「……!」
考えろ……思考を巡らせるんだ!
ボクらを爛れた運命の輪の外に……運命の輪……乳輪――違う!
確かに、少しシャツをずらすだけで、その首は姿を見せる。
折角の機会だから、それを見ておくのも良いかも知れない――駄目だ!
「……!」
胸に目を向けてはいけない!
ボクらが見るのは、明日であって決して黒いぱんつ――じゃなくて!
流石は蘭子、見えない所でも自らの存在を示しているとは。
その折り重なったレースは、さしずめ漆黒の翼と言った――言ってる場合じゃない!
「……!?」
駄目だ、このままでは新しいセカイの扉を開いてしまう!
蘭子、その閉じた瞼の向こうでどんな夢を見て――睫毛、長いなぁ。
規則正しい寝息は、何かのタイミングを測っているのかな?
寝ているのを起こせというのなら、その方法は――ちゅーしちゃうぞー?
「……ふふっ、ボクの負けだよ」
すまないね、蘭子。
ボクは、自分の中で暴れるこの衝動に勝てそうもない。
純粋な魔力の前では、中二病なんてこのザマさ。
「……」
右手で上半身を支え、左手を首にもっていく。
蘭子から目が離せないのは、ボクの弱さ故だ。
いや、弱いからこそ、キミの中にある強さに縋りたいのかもしれないね。
「――さあ、往こうか」
ボクの意識が、完全に闇に飲まれる前に。
ボクは、自分で自分を絞め落としてその意識を手放した。
おわり
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