88:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/03(土) 21:15:36.13 ID:RYegwfqRo
「……」
考えても、考えても……答えは一向に出ない。
逃げ出したいけれど、逃げ出せない。
動物病院に連れて行かれた時のネコチャンって、こんな気分なのかな。
もの凄く不安で、これからどうしたら良いのかわからない感じ。
「……」
もうすぐ、お茶が飲み終わってしまう。
いつもだったら、これを飲み終わったタイミングでみくが声を上げる。
――さあ、今日も一日頑張ってお仕事にゃ!
――よーし、今日はレッスンを頑張るにゃ!
……と。
「……!」
けれど、今日は、何と声を上げれば良いのかわからない。
そもそも、皆にはみくの声が届いてるのかすら定かじゃない。
頭から突き出ている二つの膨らみは、本当にただの膨らみだ。
観察しててわかったけど、音には全然反応しないんだもん。
「……」
湯呑みの底が、近い。
これを飲み終わったら、どうなっちゃうのかな。
みくは、どうすればいいにゃ……?
「……――ひっ!?」
ふと、顔を上げると……みくに全員の視線が注がれていた。
視線、と言うのが正しいかわからない。
顔、と言うのも正しいかわからない。
けれど、確かに、みくは見られていた。
「……!?」
皆は、待っているのだ。
いつものように、みくがお茶を飲み干すのを。
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