56: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/01/21(日) 23:44:00.22 ID:VWwRAsjo0
その後の茄子さんは、しばしの休暇を思いっきり楽しんだ。
楓さんと飲みに行ったり。
美嘉や美穂、周子や紗枝、蘭子を連れて初詣に行ったり。
本人曰く「迷惑をかけてしまった」という色々な人に声をかけて、相手も自分も存分に楽しい休日を過ごしたそうだ。
……俺からすればその「迷惑をかけた」ってこと自体にピンと来ない。
茄子さんが誰かに何かやらかしたなんて話は聞かないのだが。
と呟くと、そういうものですよ、と楓さんは言う。
そういうものでして、と芳乃も言う。
しかし例の既視感はやっぱりまだあって、俺の微妙な気分を察してか、茄子さんはこんなことを言った。
「――大切なことは、ちゃんと前に進んでいますよ。だからご心配なさらないで下さい」
とにかく年が明けて、日常は平和そのものだった。
年末年始の多忙を極めるスケジュールが一段落し、俺の気もちょっと休まる。
事務所でうつらうつらしているとこずえがやってきたので、ソファで一緒に昼寝をしたりもした。
そんなこんなで、一月は何事もなく過ぎていくのだった。
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