80:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 22:47:23.02 ID:6sC3SVrv0
最初神社に来て雪ノ下を見た時、俺は正直戸惑っていた。
もちろん突然町中でクラスメイトに会うと、普段は話せるやつでもなんか恥ずかしくてちょっと話せないあの現象もあった。いや本当なんなんだろうなあれ。家族とのテンションを友達に見られるの恥ずかしいんだろうな。
しかし、それ以上に俺は彼女を見た時焦った。つい数日前、雪ノ下雪乃が語った真実を、俺は忘れられないのだ。
ーーーーーーー数日前ーーーーーーー
雪ノ下「ねえ、比企谷くん。」
そう呼ばれて雪ノ下の方を振り返った瞬間、俺は雪ノ下雪乃の姿に目を奪われた。
もちろん、彼女の顔は整っていた。しかしそれはいつものことであり、今更そんなことに目を奪われたりはしない。
その姿を、なんと表現したら良いのだろう。そう思うほど彼女の表情は悲しそうで、またその姿は美しかった。
雪ノ下「貴方に話しておくわ。私の過去についてよ。」
八幡「…いいのか?」
雪ノ下「ええ。別に隠していたわけではないわ。ただ、貴方達に言ったところで私の過去は変わらない、変えられないの。だから特別言うこともなかった、それだけよ。」
貴方達、という雪ノ下の言葉には、おそらく俺だけでなく由比ヶ浜も含まれているのだろう。ということは雪ノ下は彼女にもこの話をしていないということになる。
八幡「じゃあ、何故俺に話すんだ?由比ヶ浜に話すならともかく。」
雪ノ下「…さあ、なんでかしらね。」
そう言って悪戯っぽく雪ノ下は、彼女の年齢に似合った表情だった。
雪ノ下「きっと、私も誰かに話すことで楽になろうとしているのよ。理解などされないし、安い同情なんて貰っても意味のないものと分かっているのにね。」
そこで息を大きく吸い込む。
雪ノ下「…それでも、私は貴方に話すわ。」
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