結城友奈「これは勇者たちの物語」
1- 20
47:名無しNIPPER[saga]
2018/01/18(木) 20:01:19.85 ID:zws8Sn0ko

千景(……三ノ輪さん、もう良いのよ。あなただけでも逃げて)

千景(辛うじて勇者服を保っている三ノ輪さんでは、私一人でさえ受け止めることが出来ずにいた。それだけ力は枯渇し、勇者の力も切れかかっていると言うことなのだろう。落下はさらに加速していく)

銀「止まら……ないッ! くそっ!!」

千景(私のことなんて放っておいて、と伝えたいのに口を開くことさえ私には叶わない。精霊の力を全て使い果たした上、恐らく自身の命すらそこにつぎこんでしまったのね。仮にここで助かったとしても、私の先はもう長くないはずだった。だから、だからもう良いのよ……三ノ輪さん……)ドンッ!

銀「……っ……!?」

千景(不意に遠くの高嶋さんと目が合い、彼女だけが巨大バーテックスを捨て置いて私のほうへ向かって来ようとしているのが見える。……駄目よ、高嶋さん。アレはあなたも居ないと止めることが出来ないのよ……)

千景(……それに、この泡沫のような刹那の時間なのだ、どれだけ勇者が速くても追い付くことは決して叶わない。だから私は、どこにそんな力がまだあったのか、三ノ輪さんを先ほど突き飛ばしたところだった。私の最期に三ノ輪さんを巻き込んで良いはずはないのだから)

銀「──!!」

千景(三ノ輪さんが多分、私の名前を呼んだ。……ありがとう、三ノ輪さん。あなたと過ごした時間、とても楽しかったわ)

千景(そして私は、地面へと激突した──)






<<前のレス[*]次のレス[#]>>
95Res/132.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice