45:名無しNIPPER[saga]
2018/01/18(木) 19:58:02.46 ID:zws8Sn0ko
*神樹前
千景(……火球の軌道が大きく逸れていく。伊予島さんたちは見事に役目を果たし、あちらには話し合いを終えたのだろう高嶋さんたちが合流している)
千景(──そして、七人御先の半分以上が今……消失した)
千景(……ありがとう、そしてどうか安らかに)
千景「……」
千景(……どうやら風先輩たちが混乱してしまっているようだった。火球の脅威はなくなったが、代わりに巨大バーテックスが高速で前進を始めている。今までのバーテックスと桁違いの速さだった。あちらの誰もが対応出来ていない)
千景「──私にもう余力は残されていないわ! 全員最初から全力でいきなさい!!」
千景(叫ぶ! 土居さんたちの消失からも分かるように、私に残された時間は最早三十秒も残されていない。大鎌が限りなく透き通ってしまっていた)
若葉「その力使わせてもらうぞ──大天狗!」
歌野「マイパートナー! あの太陽に私たちの連携を見せてあげましょう!」
銀「鈴鹿御前! ここがアタシたちの踏ん張りどころだッ!!」
千景(四人、全力で宙を駆ける。前方にはもう巨大バーテックスが迫っていた。くっ! 神樹からそれほど距離を取ることが出来ていない。なら!)
千景「ここで絶対に止めてみせる!!」
千景(合図がなくても全員の呼吸は合っていた。それぞれの最高火力が一斉に放たれ、巨大バーテックスへと降り注いだ。……今までのバーテックスであれば御霊ごと一瞬で消滅していたであろう、間違いなく今までで最高の火力。……けれど、それをもってしても──)
銀「あいつの勢いが……! 全然止まらない!?」
若葉「くっ……大天狗の憑依も解けたのか!?」
歌野「全く歯が立たないなんて……けど! それでも! 私は足掻くわ!!」
若葉「よく言った白鳥さん! ──義経! 今度はお前の全力を見せてみろ!!」
銀「アタシはッ! 諦めない!!」
千景「……くっ……!!」
千景(彼女たちの心に呼応したのか三人の力が増す。同時に、今すぐにでも七人御先が解除されそうになり……奥歯を噛み締め耐える! まだだ! まだこんなところで! 私は、終わるわけには……)
千景「いかないのよ!!」
千景(本当に最後の最後の力を振り絞って、残った精霊の力を目の前の三人に託す。そして、力は一瞬、それでも確かにブーストされて──)
若葉「一閃緋那汰!」シュン!
歌野「オニオンスライス!!」ズシャ!
銀「これが! 人間様の──魂ってやつよォオォォォーッ!!」ドゴーン!
千景(まさに私たちの死力を尽くした全力攻撃が、巨大バーテックスへとぶつかっていく。──それでも、ここまでで最高の攻撃であっても、敵は減速すらしてくれず……私たちの身体は、その巨体に押しつぶされて──)
夏凜「待たせたわね! それにやるじゃない、先輩! 私も負けていられない、ってのよ! ──満開!!」
千景(──窮地に、確かな大輪が咲いた)
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