結城友奈「これは勇者たちの物語」
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14:名無しNIPPER[saga]
2018/01/13(土) 00:20:13.49 ID:gZU5fBxgo

千景「……さぁ、泣いても笑ってもこれが最後の戦いね」

千景(バーテックスたちは私を無視して神樹へと進んで行く。こいつらの注意が向いていない今だからこそ、私は自身に集中出来た。これが三つ目の幸運。勇者同士の戦闘が起きていないせいか、アニメよりもバーテックスたちは大人しかった)

千景「でもね、バーテックス。それがあなたたちの不幸よ。──勇者部にほだされた私の力、甘く見ないことね」

千景(切り札に面倒な文言等は最早必要ない。私はすでに知っているのだから。切り札の最奥はすでに開かれていた)

千景(そして)

千景(これこそが真なる七人御先の力。──今こそ私はその言葉を高らかに叫ぶ!)






千景「──満開! 七人御先!!」






千景(切り札を満開すること、それは手甲にまとめられた精霊の力を消費し、転じて犠牲にする諸刃に等しい禁忌を超えた何か。おそらく、この戦闘が終わるかその前に私は二度と変身が叶わなくなり、同時に自分自身も──いえ、今は考えないことにしていたのだったわね)

千景(……こうして私の中で封じられていた扉は開かれ、郡千景と言う"一"は今、"七"へと姿を増す。けれど、それは明確にかつての七人御先のあり方とは違っていて──)



??「流石のタマも驚いたけど、あえて言うからな! タマに任せタマえ!」

??「もう、タマっち先輩は変わらないんだから……」

??「……中々に不快な状況のようね」

??「でも、私はぐんちゃんにまた会えて嬉しいよ?」

??「……まさか私までお呼びいただけるとは思ってもいませんでした」

千景(私と同じ姿をした者は一人だけ。残りの六は似ても似つかない存在。そして、七つ目の人影は私を見てすぐに)

??「──すまない、千景。私は……」

千景「……謝罪なら後で聞くわ。今は目の前の敵に集中しなさい。あなたも同じ立場ならそう言ったのでしょう。ねぇ──」



千景「乃木さん?」



乃木若葉「……ああ、その通りだ。まったくその通りだったな」

千景(彼女は頷き、かつての、バーテックスと戦ったあの戦場と同じように、自身の存在を鋭い声でこう示し出した。……相変わらず偉そうなことで)

若葉「──勇者たちよ! 私に続け!」

千景(彼女……乃木若葉は、初代勇者と呼ばれた者たちと共に、今再び戦場へと舞い戻って来た。これが七人御先の真なる力にして、与えられていた本来の役割。そして)

千景(──郡千景《私》が選ばれた理由の全てだった)






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