勇者「ニートになりたい」
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612: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/12(月) 21:19:07.71 ID:tIpqN2UtO
【魔王城 玉座】

ベビードラゴン「(とにがく、ゴリ推しだっぺな)……魔王様っ!!」ドゲザ

魔王「……」チラ

ベビードラゴン「勇者なんていっても所詮ヒトだど⁉︎ オラは魔王様の偉大さにひれ伏す存在だと思ってるだなす!」

魔王「……そうか」

ベビードラゴン「魔王様は勇者をどう見てるだなすか⁉︎ 竜王様の命を犠牲にするほどの脅威とお考えなんだすかっ⁉︎」

魔王「勘違いするな。竜王が死ぬのは自身の不手際の責を受けるのだ。部下の不始末、その責を――」

ベビードラゴン「でもっ!! 発端は剣を渡したことでしょ⁉︎ たかがちっぽけなニンゲンに!!」

魔王「……」

ベビードラゴン「勇者じゃなかったらどうだすか⁉︎ そこらにいる兵士に剣を竜王様が渡していたら⁉︎ 魔王様は鼻で嗤い許していたと思うだなす!」

魔王「余が、勇者に臆していると……そう言いたいのか」ゴゴゴゴッ

ベビードラゴン「違うっ!! もっと堂々としていてほしい! オラはそう言っているのだす! 死罪を撤回……腕の恩賞を与えてくんろ!」

魔王「お前の非礼はどうなる? 自身の死を覚悟の上の発言か?」

ベビードラゴン「オラは竜王様の臣下でありますっ! 救えるのなら、この命など惜しくはねぇっ!!」

魔王「……」

ベビードラゴン「(よし、ここであの言葉を言えばいいんだな)」

魔王「……なるほど。良き家臣を持ったようだ。今回の働きに免じて、望みを叶えてやろう」

ベビードラゴン「……え? へ?」

魔王「なんだ? それが望みではないのか?」

ベビードラゴン「(あ、あれ? まだ続きがあったんだけど、こうもあっさり)」

魔王「望みを言うがよい」

ベビードラゴン「竜王様に生きる機会を与えてやってください! 交代もさせないでくださいっ!」

魔王「いいだろう。釈命をだす。此度の働きと功績を称え、竜王の減刑を認める」

ベビードラゴン「ほ、ほんとですかぁっ⁉︎」

魔王「二言はない。幾度も撤回したりしていては威光を保てんたからな」

大臣「魔王様……」

魔王「ただし、もし勇者の腕ではなかったり、罠だったと判明した場合には、その命。……即座にないものと思え。私自ら殺しにいくぞ」

ベビードラゴン「もちろんだすっ!! 何百回、何万回でも殺してくんろっ!!」ニコニコ


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