勇者「ニートになりたい」
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602: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/10(土) 22:17:11.39 ID:nMxbtsuVO
【数時間後 竜王城 玉座】

シンリュウ「――ほんで? おめぇが勇者に勝ってこの剣を取り戻しでぎだってのけ?」

ベビードラゴン「……」パタパタ

カイザードラゴン「どうしたッ!! はやく答えろッ!」ビターンッ

ベビードラゴン「そうだす。勇者は強かったんけんど、取り戻すことができただす」

シンリュウ「ふぅ〜ん?」チラ

カイザードラゴン「竜王様。ここに、勇者の腕が」ゴトッ

ベビードラゴン「……」

シンリュウ「たしかに、間違いなくニンゲンの腕だな?」

ベビードラゴン「勇者本人のものだす。噛み切ってやっだなす」

シンリュウ「……ニンゲンの腕ではあるが、勇者本人のものとは」

ベビードラゴン「血を飲めばわかるはずだす」

シンリュウ「血を……?」

ベビードラゴン「ルビスの加護。オラも噛み切った時にはじめて知っだけんど、その加護の宿った人間の血は、魔族にとって毒だなす」

カイザードラゴン「それはまことか……!」ペロッ

ベビードラゴン「……」

カイザードラゴン「うっ、まずっ! な、なんだこの臭みは。これでは野ウサギの方がまだマシだ、ぺっぺっ」

ベビードラゴン「これまで飲んだことの味というのが証明になるはずだす。魔王様に謁見の許可を。竜王様」

シンリュウ「謁見して、なにをするづもりだ?」

ベビードラゴン「ただ、ありのままを報告するだす。隻腕(片腕のこと)になったのは、魔王様にも報告せねばならぬこと」

シンリュウ「わだすではなくお前がか?」

ベビードラゴン「現竜王様は、魔王様のご機嫌を著しく害しておられるだす。会ってくれるかどうかもわからないだす」

カイザードラゴン「勇者の腕をもぎとってにたとあれば……! 竜王様っ!」

シンリュウ「まだわだすは竜王だ。ベビー……嘘はついてない?」

ベビードラゴン「誓って。嘘なんかついてねぇ」


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