567: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/08(木) 15:15:21.45 ID:qhEh2zmnO
武闘家「僧侶。聞きたいことがある」
僧侶「くすくすっ。わざわざ人払いしてまで〜。勇者様のことでしょう〜」
武闘家「そうだ。さっき、“勇者として見られたくない”そう言ったね」
僧侶「はい〜」
武闘家「どういう意味だ? アタイも、勇者は勇者として思ってるし、見てる。それでいいと思ってる」
僧侶「根は深いのですよぉ〜」
武闘家「だから、それが意味がわからないと」
僧侶「この世界は、長い間、宗教の観念が色濃いのですぅ〜」
武闘家「……?」
僧侶「それもこれも、ルビス様を至上とする宗教主義が行政と思想に強い影響力を与えているからなのですがぁ〜。武闘家さんは、ルビス様に対する信仰はいかがですかぁ?」
武闘家「アタイは、人並みぐらいだと思うけど」
僧侶「そうでしょうねぇ〜、そう答えるでしょうねぇ〜」
武闘家「……」
僧侶「このクィーズベルの皇女様も、そして、私も、武闘家さんも。生きる人々すべてがみぃ〜んな勇者さまの影にルビス様の栄光を見ているのですよぉ」
武闘家「ルビスを、見てる……?」
僧侶「そもそも、勇者が凄いってなぜなんでしょうね〜?」
武闘家「それは、“ルビスの加護を受けてて、魔王を倒すという伝説の存在だから”」
僧侶「そうですよぉ〜。その言葉が自然と出てくるほど、私たちの生活の中にルビス様信仰はあるのですぅ〜。人並みと答えた武闘家さんであっても〜」
武闘家「……」
僧侶「誰が悪いではないのですぅ。でも、勇者さまはきっと、“そうなってみないとわからない”。そんな状況に苛まれているような気がしてぇ〜」
武闘家「よく、わからない」
僧侶「申し上げてるじゃないですかぁ。私たちはおもんばかることはできても、勇者さまが抱える悩みやお立場には、なってみないとわからないのですよぉ」
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