勇者「ニートになりたい」
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453: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/01(木) 13:29:46.17 ID:tIdBMrZ3O
バニーガール「たった300ぽっちぃ? そんなんじゃ一晩の遊び代にもなりゃしないよ」

メイド「うっ、あの、今はこれが全財産で。お城に行けばまだ」

バニーガール「だぁめぇ〜! 今度、いつか、なんて口約束ほど信用ならないもんはない」キッパリ

メイド「う、うぅっ、でも、約束は必ず守りますから」

バニーガール「ふぅ〜ん、ま、いっか。盗むんじゃないよ」スッ

メイド「こ、これは……間違いない。見間違えようがない……アデルの……」

バニーガール「なんでもさぁ、アデルにいってこれを見せりゃ仕事を斡旋してくれるって言ってたけど」

メイド「な、なんですって⁉︎」ガタッ

バニーガール「きゅ、急に乗り出してきたらびっくりするじゃないのさ」

メイド「(まさか……っ⁉︎ まさかまさかまさかまさかまさかっ⁉︎)」ギュウッ

バニーガール「ちょっと! なに握りしめてんだ! あたしんのだ!」

メイド「その方は! 今っ! どちらにっ⁉︎」バンッ

バニーガール「……いや、だから知らないって……」

メイド「な、なんてこと……私ったら、なんて勘違いを……」ワナワナ

バニーガール「あのさぁ、そろそろ返してくんない?」

メイド「あ、す、すみません」スッ

バニーガール「でも、ほんとなのかねぇ。これ見せれば選択肢が広がるって」

メイド「なんと、言われたんですか?」

バニーガール「ん? いや、少し世間話をしていたら、ひょんなことを言われたのさ」

メイド「……?」

バニーガール「“なりたいものがあるなら諦めちゃだめだ”って。ふふっ、なんとも青臭いセリフだけどね。ああまで透き通った瞳で言われちゃうとさ」

メイド「……」

バニーガール「私も、自分に対する負い目はあるからさ。境遇は運だけど、いつのまにやら、今の環境に慣れちまってる自分もいる」

メイド「そう、ですか」

バニーガール「つまらない話しちまったね。さぁ、はやく帰ってくれ。この300ゴールドはもらうよ」

メイド「(や、やはり、違う。盗賊なんかじゃない! この銀細工は……この形は……あの時の……ゆ、勇者様……?)」


姫『貴女も知ってる、懐かしい友人ですの――』


メイド「……っ⁉︎」ガタッ

バニーガール「わ、わぁっ! だ、だから勢いよく立つなって」

メイド「姫さまは知ってた⁉︎ 気がついてた⁉︎ あの人の正体に⁉︎」

バニーガール「ひ、姫さま……?」

メイド「も、戻らなくちゃ! お城に戻って確認しなくちゃ!」タタタッ


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