433: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/31(水) 13:59:27.91 ID:YvuJAF6kO
【数十分後 廃墟】
お頭「そうかい……ガンダタの野郎。ついに裏切りやがったか」グビッ
手下「お、お頭ァ! そんな悠長に酒飲んでる場合じゃねぇですよ!」
お頭「騒ぐことはねぇ。あいつはいつか裏切ると思ってた」
手下「……え? そ、それなら、なんで?」
お頭「“目つき”よ。目は口ほどに物を言うっていうだろ。ありゃあ下につくやつの目じゃねぇ。下克上を考えてるやつのモンよ」
手下「だったらなんで手下に加えたんでさぁ⁉︎」
お頭「こうなると予測はついてたっつったろ? まさか……人質をかっさらうとは思ってなかったが」
手下「ガンダタがいなくなって、見張り番を殺られちまったのもかまいやしません。でも、人質は……!」
お頭「計画にケチがついた。おめェはそう言いてんだろ?」
手下「うぐっ」
お頭「修正すりゃいいのよ。予定が狂ったんなら。……やるべきことをやるだけで慌てたってなんにもならねぇ」
手下「なら、すぐに追っ手を!」
お頭「ああ。馬10頭とそれに見合う人数で走らせろ。見つけたら殺せ」
手下「へ、へいっ!」タタタッ
お頭「(ガンダタよ。おめェに一目置いてたんだぜ? 人質掻っ攫われた俺と、行動を起こしたお前。ヘタ打ったのはどちらか、白黒ハッキリつけなくちゃいけねぇみてぇだな)」
手下「あ、そ、そうだっ!」ピタッ
お頭「ん……? どうしたい?」
手下「城に潜伏させてる密偵から連絡がありましてね。なんでもハーケマルの使者がきてるらしいです」
お頭「あ? 使者ァ?」
手下「へい。なんでも、王子来訪に先駆けてだそうで」
お頭「そりゃ都合が良い。水が干上がっちまってるのがバレちまうだろ」
手下「そ、それが……。王も黙って成り行きを見守るつもりはないらしく、法王庁と協議に入ったとか」
お頭「なんだとォ?」
手下「おそらく、援助を要請する腹づもりでしょうね。長期化しても耐えられるように」
お頭「……まじィな。ガンダタよりもそっちのが問題だ。計画がご破算とかしちまう」
手下「どうしやしょう? 予備も含め王子来訪に合わせて水不足に陥っていなきゃ」
お頭「(法王庁か。やつらの援助で水を確保できりゃ、俺らがいくら干上がらせたところで……)」
手下「いっそのこと、こちらも長期化させて、王子来訪の後にズラしますかい?」
お頭「バカやろ。どれくらいの金と期間をかけて下準備してきたと思ってやがる。それまでこっちの体力がもたねぇの。小銭稼ぎじゃ給料が払えなくなっちまう」
手下「う……」
お頭「しかたねぇ。さらに金をばらまくか。……おい」
手下「へ、へい?」
お頭「潜伏してる手下に伝えろ。使者ってやつが金で動くかどうか確認しろとな」
手下「へい!」
お頭「(全てが計画通りとはいかねぇか。だが、それでこそやりがいがあるってもんよ)」
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