勇者「ニートになりたい」
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415: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/29(月) 17:09:54.99 ID:vTFPOFUKO
少年「……」ブルブル

ガンダタ「ま、まずいぞ。大人しくしてるつもりが、つい、はずみで」チラ

少年「こ、殺したの?」

ガンダタ「(ど、どうする。このガキがやったことに、ええぃ、できるはずがねぇ。喧嘩の末にやっちまったって感じに――)」

少年「こ、こわいよぉ、お家帰りたいよぉ」ポロポロ

ガンダタ「側で泣くな!! 今考えてるんだからよ!」

少年「ひっ」ブルッ

ガンダタ「ちくしょおぉぉっ、仲間内での殺しはご法度だ。例え喧嘩だとしても、許されるもんじゃねぇ……くっ、なんてこった……こ、ここまでか」

少年「お姉ちゃん、お姉ちゃぁん」

ガンダタ「泣きてえのはこっちも同じ……ん? お姉ちゃん?」

少年「うっうっ、ぐすっ」

ガンダタ「おい、ガキ。おめぇ、そういやなんで人質になってんだ?」

少年「し、知らないよぉ」

ガンダタ「(クソ、イライラさせるガキだ。……いや、まてよ。まだ生き残る道があるかもしれねぇ、このガキを使やぁ)」スタスタ

少年「ひっ、な、なに……」

ガンダタ「――ついてこい。ここから逃げるぞ」

少年「えっ⁉︎ お家に帰れるの……?」

ガンダタ「家には帰れねぇが」

手下「が、ガンダタ……おめぇ、なにしてやがる……」

ガンダタ「……っ⁉︎」ギョ

手下「酒が足りねえだろうと思って、来てみりゃ……まさか、お前、裏切るつもりじゃ⁉︎ お、お頭らァッ!! みんなぁっ!!!」

ガンダタ「チッ」ヒョイ

少年「うっ、わっ」

手下「人質を担いでどうするつもりだ! そいつは――」

ガンダタ「ごちゃごちゃうるせぇよ」ヒュッ

手下「うっ」グサッ

ガンダタ「(手持ちの投げナイフは今ので最後か)」スチャ

手下「う、ううっ」ドサッ

ガンダタ「急所は外してある。お頭に伝えな。人質を返してほしけりゃ、追って連絡を待てとよ」

手下「ぐっ、ガンダタァっ! 身内殺し、裏切りはこの業界じゃご法度だと知らねーおめぇじゃねぇだろ!!」

ガンダタ「まともなことやってちゃ時間がかかるのよ。それに、なにがご法度だ。俺もお前も、社会のはみ出し者だろうが」

手下「ぐっ、ぐぬぬっ! 許されるこっちゃねぇぞ! ガンダタァッ!!」

ガンダタ「……なら、追ってこい。誰も止めやしねぇよ。お前らも止まるつもりねぇだろうがな」

少年「お、お家、帰りたい」

ガンダタ「(クィーンズベル城で働くメイドの弟だったな。こうなっちまったらしょうがねぇ、やるとこまでやるっきゃねェッ!! 男ガンダタ、ただでは死なねぇぜっ!!」


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