勇者「ニートになりたい」
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400: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/28(日) 15:49:13.59 ID:nyYl0jguO
【その頃1 クィーズベル城 郊外】

戦士「はぁぁぁぁっ!!」ザシュ

武闘家「ハイィィィィッヤァッ!!」ドンッ

戦士「ぐっ⁉︎ がはっ」キーーン

武闘家「はぁっ、はぁっ……ふぅー」スッ

戦士「く……っ、ち、ちくしょう、また負け、か」ガクッ

武闘家「まだやる?」パンパン

戦士「ふん、あたしは負けず嫌いなんだ。身体が動けばすぐにでもやりたいが……少し休憩するか……ふぅ」

武闘家「……」ドサッ

戦士「なぁ? 気になってたんだが……老人は……武闘家の師匠はなんで勇者についてけって言ったんだ? 修行のためか?」

武闘家「見聞を広げろって。……そう言われた。アタイが井の中の蛙だって思い知ってちょうどよかったんだと思う」

戦士「マク選手のことか。たしかにあの強さは尋常じゃなかったな。できれば、あたしももう一度会いたい」

武闘家「毎日会ってるじゃないさ」ボソ

戦士「……武闘家……お前はあたしより、強い。悔しいが認めなきゃいけないみたいだ。なにかアドバイスをもらえないか?」

武闘家「タフさに自信がありすぎるんだ。防御が疎かになりすぎ。アタイの動きは見えるんだろう?」

戦士「ああ、だが、速すぎて反応できない」

武闘家「動体視力は悪くない。これまでの相手は多少攻撃を受けても自前のタフさがあってどうにかなってたかもしれないけど」

戦士「……」

武闘家「――達人に近づけば近づくほど甘くないよ」

戦士「防御か。攻める方が好きなんだけどなぁ」

武闘家「得意不得意は誰にでもあるもんさ。アタイだって人に教えられるほど高みにいるわけじゃない。勇者に教えてもらえば?」

戦士「むっ? なぜだ? あいつはこのパーティで三番手だろう。器用貧乏だと言ってたのはその通りだったし……武闘家はまだ勇者と手合わせしてないから実力を知らないのか」

武闘家「……はぁ」

戦士「もっと、もっと、強くなりたい……マク選手とまではいかないが、背中が見えるようには」

武闘家「そこに関しちゃ同感だね。あいつの顔色を変えるぐらいの一撃を放ってみせる……! やられっぱなしでたまるもんか……!」ギュゥ

戦士「ぷっ、ははっ、お前もあたしと同じぐらい負けず嫌いなんだな」

武闘家「……なんで笑うのさ」

戦士「いやいや。目標があるとはいいものだ。無愛想だが、嫌いじゃないよ、あたしは」

武闘家「アタイは嫌いだけど」

戦士「なっ⁉︎ 今ようやくいい雰囲気になろうとしていただろうが!」

武闘家「女同士でなに言ってるのさ。アンタ、そっちの気でもあんの?」

戦士「〜〜ッ! き、嫌いだ! やっぱりお前なんか! このひねくれ者!」

武闘家「くっ、ひ、人が気にしてるところを」

戦士「あ? ……なぁ〜んだ。自覚あったのか? やぁ〜〜い」

武闘家「立てッ!! 足腰立たなくしてやるッ!!」クワッ

戦士「やろうってのか!! あたしが何遍も黙って負けると思ってんだろ!」ムクッ

武闘家「弱いくせに。ウププッ」

戦士「い、言いやがったなぁっ⁉︎ 叩き切ってくれるッ!!」


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