270: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/19(金) 19:46:56.82 ID:bvIfG7NGO
【クイーンズベル城 玉座】
姫「な、なななっ⁉︎ このあたくしがお見合い⁉︎ どういうことですの⁉︎」
王様「姫も18になった。そろそろ婚礼を迎えてもいいであろ」
王妃「ええ、貴方。相手は北のハーケマル。その第一子嫡男であるハーゲよ」
姫「朝の身支度を終えて来てみれば……そんな……っ! それになんですの⁉︎ ツルピカってそうな名前は!」プルプル
王様「これ、失礼であろ。名前は親がつけたもんじゃ。親はもう毛根が……ゲフンゲフン」
姫「やっぱりハゲるんじゃありませんこと⁉︎」
王妃「ハゲハゲ言うんじゃありません。髪の話などしても不毛よ。髪がないだけに」
王様「……座布団没収」ボソ
姫「お父様! お母様! ダジャレを言い合っている場合ではないんですの!!」
王様「しかしのぅ、この縁談は政治的側面もあるんじゃよ」
姫「……っ!」
王様「姫も知っておろ? 四つ国は西と東、南と北でそれぞれ兄弟国になっておる」
王妃「私も元々はハーケマルの姫だったのよ?」
王様「うむ。こうして代々、王家同士で和睦と太平の契りを交わすため、家族となるのじゃ」
姫「そ、それは……でもっ」
王妃「夫婦生活なんて慣れよ。この人と結婚するのなんて、私も最初は嫌々だった」
王様「本人を前にして言うかの」
王妃「よく聞きなさい、姫。王家の女はね、男と結婚するのではない」
姫「……お母様」
王妃「いいから聞きなさい。王家の女は、民と結婚しなくちゃいけないのよ」
王様「ふむ」
王妃「所詮、女なんて道具に過ぎない。慰めにならないと思うけど……貴女の勇気が、民を安心させる」
姫「い、いやですわ。そんなの納得いかないんですのっ!!」タタタッ
王様「おう⁉︎ ひ、姫っ」
王妃「……今はほっときましょう。私もそうでした。あの子は帰ってきます。身体に王族の血が流れている限り」
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