164: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/14(日) 19:18:51.94 ID:wnnh1YX3O
【馬車 手綱】
勇者「のどかやなぁ〜。お前もそう思わんか?」
馬「ブルルッ」パッカパッカ
勇者「ほんにのどかやでぇ〜。このまま時間が止まれば――」
――ドゴォンッ!!――
馬「ヒヒーンッ」ビクゥ
勇者「おっ⁉︎ ちょ、ちょっ! どーどー! 静まれ!」
馬「ブフォ」タンタン
勇者「な、なんだ? 荷台が揺れた……?」
戦士「自分で吐いたその言葉! 簡単には飲むなよ……!」バキィッ
武闘家「ほんとのこといってなにが悪いってのさ」バキィッ
勇者「あんれまー。新品の馬車の荷台をぶっ壊して出てきたように見えたけど。疲れてるのかな」
魔法使い「勇者!」
勇者「やめて。現実逃避してるのにやぶれた穴から話しかけないで」
魔法使い「二人を止めないと!」
勇者「ゆ、夢じゃなかったの? ウソ、ウソだといってよバーニィ」
戦士「コミュニケーションしようと思ったのが間違いだったようだ」チャキッ
武闘家「……ふん。ザコのくせに」スッ
勇者「お、おまえらぁぁぁぁああっ!!」クワッ
戦士「口を出すな、勇者」
勇者「出すに決まっとるわい!! どうすんだよ! いきなり穴あけちまいやがって!! まだ出発して半日もたってねぇぞ!」
武闘家「それは、こいつが……」
勇者「お前もしっかり穴あけとるやないかい! 2つ! わかる? ふーたーつぅー!」
武闘家「うっ」
戦士「穴ぐらいなんだ。男のくせに細かいやつだな」
勇者「ホワッツ⁉︎ アナタ、イマナントイッタカ⁉︎」
戦士「うっ、いや、男のくせに」
勇者「アーユークレイジーッ⁉︎」
魔法使い「僧侶。勇者が言ってるあれ。どこの言葉?」
僧侶「さぁ〜。でもぉ、いいんじゃないですかぁ? 勇者様の勢いにタジりだしてますしぃ」
武闘家「あ、アタイは……」
勇者「シャラップッ!!」
戦士「お、おい、勇者、さっきから何語を……」
勇者「シッダウン! シッダウン!!」
戦士&武闘家「……?」
勇者「……はぁ、あのなぁ、知り合ったばかりだし、喧嘩するのもしゃーないけど。物は壊さないようにやれよ」
武闘家「やっぱり、アタイはこのパーティから」
勇者「じいさんと約束してんだろ? 会って日にちが長いわけじゃないけどさぁ。俺に連れてけって言ったんだ。お前はここにいろ」
武闘家「……戦士とは別にしてほしい」
勇者「お安い御用です! 個室を用意します! ……できるわけねーだろ。馬車に仕切りなんか作れるか」
武闘家「……」ブスゥ
戦士「やはり、力で決着を」
勇者「もう太陽が傾きはじめてる。やるなら止めないから、次の村についてからやれ」
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