10:名無しNIPPER
2018/01/08(月) 21:27:49.56 ID:SpRwY0O20
魔法使い「な、うわああああ!」
灰色の尻は今にも飛びかかってこんとばかりにピクピクと痙攣している!
男「狼狽えるな」
メリメリと音がした。小屋が揺れる。
鼓膜を破らんばかりの轟音とともに、壁がぶち抜かれ雪崩のようにマッチョが侵入してきた!
魔法使いは悲鳴を上げた。マッチョの群れにまたがり、歩み寄ってきたその男はかつての勇者だ。
男「紙のように脆い壁だな。少し触ってみただけでこれとは」
4足歩行で男を運んできたマッチョが身震いをする。
彼の尻に連結するように頭をくっつけているマッチョが一人、また一人。まるで筋肉の汽車だ。
魔法使い「この状況は……いや、この者たちは!?」
男「私は4年前、魔王を討った。しかし、それは決して一人だけの力ではない!
独善的な強さに頼る者は愚かだ。魔物と何も変わらぬ。
力とは何か、私はこう答えよう」
マッチョ「ンス……ンス……」
魔法使いは乱れた呼吸を整える。情けないが、うまく息が吸えず喉から空気が漏れる。
横から顔に尻が押し当てられ、筋肉のクッションに挟まれる。
汗で濡れている、固い肌の感触が直に伝わってくる。
マッチョ「フンッ」
男「仲間の存在だ。」
マッチョ「……ンンッ」
男「勇者は強大な力を持つ個であり、たった一人で悪を斬り伏せたと言う。」
マッチョの筋肉と魔法使いの体が震える。
男はマッチョの背中から降りて、魔法使いを見下ろした。その眼光の鋭いこと!
何たる気迫だ。マッチョたちが暑い吐息を耳元で吐き、魔法使いの頬を優しく撫でる。
男「くだらぬ噂話だ。4年前、私は多くを語らなかった。
勘違いした者たちが、理想の勇者像を作り上げただけに過ぎぬ。私は彼らと供に事を成した。」
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