魔法使い「フンッ! フンハッ!」
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1:名無しNIPPER
2018/01/08(月) 21:09:07.92 ID:SpRwY0O20
誰もいない登山道に轟音が響く。雨は止まない。紙のように薄い、質の悪い外套では十分に風を防ぐことができないようだ。魔法使いの体温は徐々に奪われ、体力と気力が蝕まれていく。

(それでもおれは諦めないぞ。)

魔法使いの決意は岩のように固かった。元来、性格は頑固であった。それに、この男は今、並々ならぬ正義感にも突き動かされていた。

山の頂上には、かつての勇者が住んでいるという噂があった。

(噂はきっと本当だ。)

そうでなくてはならない。かつての勇者の元へ行き、教えを請うのだ。どうすれば自分は強くなれるのか。強さを求める理由がある。一月前、噂を嗅ぎつけ、すぐにこの山に旅立った。4年前、賞金首の山賊を退け、海賊たちを討ち、魔王を撃退した勇者の助力があれば、荒れ果てた故郷をもとに戻すことができるだろう。


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