六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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10: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 22:50:38.53 ID:6rZ5mY140
面白い奴だ呆れるぜ。
ヒートアップが燃え尽きたため少し無言の間が続く。
疲れてぼーっと歩くと、六花は遠くのぼやけたビルを見て何か思いついたようだ。
六花「あのね、ベル博士からもらった電力綱手で屋上の柱に綱手を飛ばして引っかかったのが分かり次第よじ登るの。夜の消灯を確認し、秘密で内部に侵入、そのあと爆弾を仕掛けてドカーンってやりたい!」
勇太「ベル博士って誰だよ!」
六花「ちなみにAボタン三回押すと空中で三回ジャンプできる」
勇太「うそっ、まじ!?人って空を飛べたのかよ!つうか俺もやりたいよ参加させて!」
六花「いや、う〜ん。いいよ。おとり用としては役に立つ」
勇太「お、おとり!??」
恋人仲間だと思ってたのに、所詮は爆破用の一物だと思ってたなんてひどすぎる!!
六花「私の足を……引っ張らないでね♡」
勇太「六花に見放されたー!」
六花「骨だけは拾ってやるよ」
何を偉そうにー!
六花「いや単純にゆうたにケガさせたくないから。爆破に巻き込まれるのは私一人だけでいい。だって、大切なあいぼう?」
俺は冷気を放つ冷たいアイスの感触に当たったかのように口がこもった。こいつはこいつなりに俺を気遣っているんだと。大切にしたい思いが心の中でじわっと熱石のように熱く温まる。俺だって、俺だって!俺だって!!
六花の歩行する片腕を強く突いた。俺の生暖かい右腕が、六花の付属品のように小さくて壊れやすいけどどこまで愛したくてかわいらしいその左腕に熱源を与えた。もちろん彼女がローラーシューズだってこともありそこまでではないけど。
勇太「このっ!」
六花は火照った顔の俺の奇妙な行動に目を見開くが、その行動が愛から生まれたんだと理解したのか、今度は六花の方から俺の右腕に鈍く、だけど優しく当たる。
六花「こいつう!」
その手加減が嬉しくて俺はますますうれしくなる。腕に当たりたい。どんどん触りたい!どんどん知りたい!
俺たちは「りっか!」「ゆうた!」と言いながら腕を体当たりで実質くっつきあってるのだ。気が付いたら六花の顔もドアップで見えるぐらい、どんどん体の距離が小さくなって、彼女の真っ赤に染まった頬を見ると、俺もますます蒸発する。でも好きだなんて照れくさくて、真正面を見ることができないよ。
六花「ゆうた!」
勇太「りっか!」
六花「ゆーた♡」
勇太「りっか♡」
六花「ゆーた♡!!!!」
勇太「りっか♡!!!!」
六花「こっちの方が声が大きいー♡」
勇太「俺の方が声が強いー♡」
六花「こっちっー!」
勇太「おれだー!」
六花「きゃははっ!」
勇太「あはははは!」
六花「……」
勇太「……」
良い雰囲気だよな。手、繋ぐべきだよな……。
俺は心して目を強く瞑って、六花の大事な手にはいより、一瞬彼女の外郭を握ろうと思考が回る。怖さが好奇心を勝るけど。でも!妄想が現実に手を伸ばさせる。
あ、そうだ!思い出した!と六花は叫んでローラーシューズで体ごと回転し、思い出したことがある!と俺に話しかけたのだ。
ああああ……。さっきのムードが台無しじゃねえか!!
六花「ゆうた!あれやってない!本日のバトル!」
勇太「やらねえよ!あれ俺の善意でやってるからな!黒歴史に新たな一ページを加えたくないごめんだね!」
六花はうまくいかない人生にもがき苦しんだように下を向いて、少ししたら急になぜか明るい顔になる。そしてなんやら手をこまねいてこっちにこいよの合図しながら、気味の悪いにやけ顔を俺に向けてくるんだが。顔にスプレーかけたい。


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