64: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/05(金) 18:12:16.82 ID:c1/viYU+0
「書き物か」
「えへへ、小説」
どれどれ、と覗き込んできたのを咄嗟に隠した。書いたものを見られるのって、なんだかものすごく恥ずかしい。だってこれは、一字一句、私の内側から出てきた文字だ。
でもまあ、まほにならいいか、と思ってもじもじしながら見せてやった。
三つの短編で構成したひとつの話。
「最初は、好きな人に好きな本を貸す女の子の話か。どこかで聞いた事がある」
気のせい気のせいと言って、とぼけて見せる。まあ、まほが気付くのは当たり前かもな。これは、私がまほに初めて本を貸した時の話が元になっている。
タイトルは『文車妖妃』。ラブレターの妖怪の名前だ。まほが『鉄鼠』をマウスに例えたところから思い付いたネーミング。
その次は、一話目の女の子から本を借りたせいでその子の事が頭から離れなくなった誰かさんの話。タイトルは『夢魔』。
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