北条加蓮「アタシ努力とか根性とかそーゆーキャラじゃないんだよね」
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34: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/12/31(日) 22:53:45.67 ID:vyCd+JK40
 プロデューサーの指示により、アタシは今までのレッスンに出るのをやめ、ライブに向けたレッスンに取り組むことになった。
 トレーナーさんは呼ばずに、レッスン室が空いている時間を使って部署内だけで行うらしい。
 やはりネックとなるのはアタシの実力だけのようで、杏と乃々ちゃんに関しては、誰も、なんの心配もしていないようだった。

「とりあえずいつもみたいにやってみて」

 とプロデューサーが言い、集団レッスンのときと同じステップを見せた。乃々ちゃんがトレーナーさん役をやって、アタシが同じ動作を繰り返す。プロデューサーと杏がそれを見ていた。
 最初のほうは、もうアタシでもすっかり覚えており、お手本を見るまでもなくこなせるようになっていた。だけど進むにつれてだんだんと呼吸が乱れて手足の動きがバラバラになり、自分でもひどいありさまになっているとわかった。

「はい、お疲れさま、筋はいいな。なんとか形にはなるんじゃないかな?」

 アタシは耳を疑った。毎回レッスンを途中退場していたアタシが、筋がいいはずがない。

「適当なこと言わないでよ」

「いや本当に。加蓮は最初のほうはちゃんとできてるんだよ。難易度じゃなくてスタミナの問題だ。最初のほうを飛ばして中盤から始めてみたら、わりとあっさりクリアできるんじゃないかな。あとで試してみるといい」

 それからプロデューサーは、「双葉の見立てだと、どのくらいもつ?」と床に寝転がって眺めていた杏に問いかけた。

「うーん……がんばってなんとか3曲かな」

「じゃあそれで行こう」



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