76: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/11(木) 23:58:05.43 ID:XQqGvl4N0
「─────西住ちゃん、先生、早く逃げて!!!」
「What, what, what!!!?」
「な、な、何よアレぇ!!?」
「とにかく今は前だけ見て!!走れ、走れェ!!」
「────痛っ!?」
未だかつて聞いたことがないほどの焦りを含んだ角谷さんの叫び声と、西住さんの鬼気迫る檄。全員が弾かれたようにその場から走り出すが………一秒と経たぬ内に、一人が小さく悲鳴を上げる。
「うっ……」
「優季ちゃん!!?」
(;^ω^)「っええい!!」
深海棲艦機の空襲によってひび割れたアスファルトに足を取られ、宇津木さんが転倒する。痛めたのか膝のあたりを押さえ蹲る彼女のもとへとって返すが、“落下物”はもう既にあと数秒と経たずに地面に到達するだろう。……しかもよりによって、落下地点は宇津木さんの直上ときている。
(;^ω^)「────宇津木さん、痛くなるけどすまんお!!!」
「えっ………ひゃああっ!!?」
考考えるより前に、身体が自然に動いた。宇津木さんを抱え上げると、反動をつけて後ろへと放り投げる。同時に、僕自身はその勢いを駆って物体の落下地点の向こう側へと身を躍らせる。
「…………ッ!!」
「きゃっ!?」
投擲先には、僕と同時に踵を返していた西住さんが居る。彼女は持ち前の身体能力で宇津木さんをお姫様抱っこの要領でキャッチしつつ、後ろに自分から倒れ込むことで衝撃を逃がしていた。
(;゚ω゚)「うぉうっ!?」
流石西住さんと感心する間もなく、目の前に火達磨になって拉げた“落下物”が眼前に突き刺さる。腹を下から突き上げるような、“ズンッ”という震動が視界を揺らす。
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