596: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/08/20(月) 23:01:29.07 ID:Uxp/rQ8L0
「─────あぁ、今私も送られてきたURLを見ているざます」
右肩で通話状態のスマートフォンを挟み耳に当てながら、手元のタブレット端末を操作する。11inchの画面に大写しになった一枚の写真は、日本最大級のインターネット掲示板“ちゃんねるツー”にアップロードされたものだ。
撮影者が使っている機種の性能や手ぶれのせいで決して見やすいものとはいえないが、それでも被写体として中央に映された“機影”ははっきりと確認できる。
全長はざっと目算した限り、凡そ50M程だろうか。レンドリースを受けた戦車の整備や例の“大鍋”の調整にあたって何度かサンダース大附属を訪れているアスパラガスは、その無骨な外見に見覚えがあった。
「C-17【Globemaster III】ざますね」
《ご名答です》
電話口の向こうで、相手───元BC自由学園戦車道チーム副隊長・ムールが頷くのを気配で感じた。
《横須賀の在日米軍基地から多数のV-22やCH-47と共に離陸した機影を住民が撮影したものがインターネット上で複数のコミュニティにアップロードされました。投稿主によれば、撮影した時それらの編隊は北へと向かっていたそうです》
「この横須賀から北………ざますか」
一応北海道や北方四島、千島列島、樺太特別自治区等幾つか候補はあるが、現状入ってくる限りの情報でこれらの戦線が危機的だとは思えない。だとすれば、この写真に写された機体群の行き先は自然と絞られる。
「大洗町に在日米軍が本格的に介入を開始した、か」
《ほぼ間違いないかと》
そういえば、幾らか前にジェットエンジンの音やヘリのローター音が大量に市街地の上を通過していった時間帯があったと思い出す。丁度文科省各局の“パイプ”に様々な働きかけを行っていた頃と重なったため、アスパラガスとやはり各方面に電話をかけていたダージリンにとってそれらは迷惑千万な騒音に他ならなかったが。
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