58: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/08(月) 00:29:41.21 ID:ZkbNveRG0
飛び回るハチドリの羽音のような、或いは獰猛な肉食獣の威嚇音のような、連続的な音色。風切り音を伴ったそれは、僕たちに近づくにつれて高く大きくなっていく。
「何、何?何この音ぉ!?」
「う、上から、何か近づいて来て………」
降ってくる音────最早現代の空からは駆逐されたはずの、レシプロエンジンの駆動音。何十機分もが重なって上空で鳴り響く中、突出してきたらしき一際大きな音の主が僕の頭上に差し掛かった。
(;^ω^)「────やっべぇっ!!!」
「きゃんっ!?」
「Ou!?」
背筋に走った、氷柱を直接突っ込まれたかのような強い悪寒。咄嗟の判断で、僕のすぐ前を走っていた宇津木さんの腕を掴み横に居たアリサさんを肩で突き飛ばす。
二人ごと宙を浮いた身体は、通路を飛び越えて道脇の自転車置き場の中に転がり込む。直後、僕等が居た位置をアスファルトを削り取り機銃掃射が駆け抜けた。
悲鳴があちらこちらで上がるけれど、他の誰かが犠牲になった様子もない。樹木園への避難を開始する前に予め全員を散開させたのは幸い功を奏してくれたようだ。
「いたたたた………や、やだもぅ〜、先生ったらだいたーん」
「Damn………Hey boon!!タカシに振り向いて貰う前に傷物になったらどうしてくれるのよ!!」
(;^ω^)「まだいつものノリを出せるのは賞賛に値するけど自重してくんねえかな!?」
まぁ元気そうなのは何よりと言えば何よりだが、この状況下で脱力させにかかるのはやめてほしい。
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