エンド・オブ・オオアライのようです
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56: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/07(日) 23:59:51.56 ID:dUa8vtWv0
唸り声はいつの間にか止まっている。にもかかわらず、ヌ級の顎は閉じられない。身体を折り曲げ、四つん這いになりながら奴は寧ろ口をますます大きく、普通の人間なら間違いなく顎関節が外れるほど目一杯に開けた。

「一体、」

何をするつもりなのか。言葉を発した女生徒の一人がその台詞を最期まで言い切る前に、その答えを示す形でヌ級の口から黒く小さな点が群れを成して飛び出した。

(;゚ω゚)「っ、もう一度言うけど皆急いでここから離れろ!とにかく頭上を遮れる場所に移動を急げ!!」

「皆さん、内藤教諭の指示に従って下さい!!お友達同士で固まってる方達はばらけて、開けた場所を避けるように!」

「幸い300M先に自然観察用の樹木園がある、そこまで遮蔽物になるべく身を隠しながら走れ!!」

「こっちの屋根の下に行こう!高さも広さもある!」

「ゴミ箱の影………き、汚いけど我慢!」

僕の剣幕に何かを感じ取ってくれたのか、秋山さんが続けて指示を飛ばしたのを皮切りに一斉に周囲の皆が動き出す。同僚達も避難誘導に加わってくれ、西住さんたち以外の生徒も多少の「慣れ」が出てきたのか素早く行動に移し始める。

だが、如何せんあまりにも時間が足りなさすぎた。

「────っ、───!!」

「────!!?」

「───っ、…………」

風に乗って聞こえてきた、入り乱れる銃声と叫び声。保安隊の人達が上げているものと思われるそれらは、十秒と経たぬ内により別の騒音に掻き消され、徐々に小さくなっていきやがて完全に聞こえなくなった。

そして、その代わりに僕等を背後から追いかけてくる「音」がある。


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