エンド・オブ・オオアライのようです
1- 20
542: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/15(日) 23:35:56.43 ID:ulqy3qc40
『『アァ……アァ……!?』』

『『ギィイ……ォアア……』』

連続で発生した軍艦二隻分の爆発に伴って、凄まじい量の砂塵が巻き上がり黒煙が濃く立ちこめる。残余戦力が四隻まで減ってもなお深海棲艦側は戦う姿勢を崩さないが、奪われた視界が反撃を妨げる。

私達が奴らの図体故に煙越しでも容易く動きを把握できるのに対し、深海棲艦側はこの煙と砂塵の量で自分より遙かに小さな物体を視認する必要がある。自然、敵艦隊は警戒から動きがますます鈍重になりざるを得ない。

『────ア゛ア゛ッ!!!』

らちが明かないとみたか、三隻目のロ級が咆哮と共に一歩踏み出す。どうやら此方に益々動きを把握されやすくなるリスクを踏んででも、煙の中から脱出して視界を確保するつもりらしい。

非ヒト型の小さなおつむにしては上出来な──ヒト型個体からの指示である可能性もあるが──、思い切った行動。英断と言って差し支えない大胆な戦術だ。 

だが、遅きに失している。

「たまご」

『ピギッ………ギァアッ、アアアアッ!!?!?』

煙に紛れて肉薄を終えていた私は、真横から至近距離でロ級の目元に矢を撃つ。激痛のあまり仰け反ったイ級の、むき出しになった下腹部に今度は五本の矢をまとめて叩き込む。

『ゲアッ……アァッ……』

五つの鏃が皮膚を突き破り、肉を抉る。ぽっかりと空いた風穴から、まるでふわトロの卵焼きを箸で割った時みたいにロ級の体液が滴り落ちる。ロ級はよたりよたりと二、三歩揺れた後、私が身体の下から転げ出た直後膝から地面に崩れ落ちる。顎がハンマーのように地面にたたきつけられ、ズンッと音を立てて小さな揺れを起こした。

『ウォオオッ───ギッ!?』

「沈めッ…………!!!!」

僚艦の異変に、ロ級と最も近い位置にいた最後のイ級が私の方を振り向く。……が、その側面に不知火が飛びつき、逆手持ちのナイフを勢いよく突き立てる。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
628Res/562.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice