エンド・オブ・オオアライのようです
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54: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/01/07(日) 23:17:08.00 ID:dUa8vtWv0
三度目の揺れ。角谷さんの言葉が、途切れる。

三度目の轟音。僕の意識が、現実に引き戻される。

僕も、角谷さんたちも、周りの生徒や教員も、誰もが足を止めて後ろを振り返る。それが“避難”として正しい行動ではないと知りつつも、足を止めずには居られない。

正門に展開する保安隊の眼前で道路が隆起する。砕けたコンクリートの下から、二本の腕を使って“それ”はゆっくりと這い出てきた。

『─────』

二本の腕に二本の足、股と腰、胸部の三つのパーツで構成された胴。オタマジャクシの出来損ないのような形状をした先の2体に比べると、それは───15m近い巨体と蝋のように白く血の気のない体色を除けば、幾らか僕たち「人間」に近い形をしているように見える。

故に、肩から上の異様さが尚のこと際立った。

「ひっ……………」

先の2体とはまた別種の“異形”を目の当たりにして、大野さんが微かに悲鳴を上げる。

胴に対して明らかに大きすぎる、楕円球形の頭部。「それ」の艤装と思われる砲塔や銃座が、実用的とは到底言えない無秩序さでそこかしこから伸びる。左目に当たる位置は無造作に刃物を入れられたような歪な“切れ目”となっているのに対し、右眼に当たる位置からは単装砲が生えている。

人を2、3人纏めて飲み込めそうな顎には唇がついておらず、剥き出しにされた白い歯が無機質な輝きを放っていた。

“人間を作ってごらん”と言われた年端もいかぬ子供が、無造作に粘土を捏ねくり回した挙げ句に出来たようなおぞましい姿。

パブロ=ピカソが描いた【ゲルニカ】の中にコイツの模写が混じっていたってきっと気づけやしない────そんな化け物が今、学園艦の甲板上に佇んでいる。


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