529: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/10(火) 23:11:36.85 ID:rOfJumKu0
何百回も、散々、うんざりするほど奴らの声は耳にしてきた。だけど今でも、それを聞く度に私の卵肌は一瞬にして鳥肌に様変わりする。
『『『ォオアアアアアアアアアッ!!!』』』
奴らの、深海棲艦の咆哮を聞き飽きることがあっても、聞き慣れることは少なくとも私には永遠に来ないに違いない。
『『『ガァアアアアアアアアッ!!!』』』
(*メ#゚ー゚)「九時方向、二個艦隊を視認!内軽巡ホ級flagship1隻を認む!」
(,,#メ゚Д゚)「AT-4 Fire!!」
「「Roger!!」」
思ったより至近、右手400mほどの位置で瓦礫の山を蹴散らしながら敵艦隊が姿を現す。即座にギコさんが号令を下し、“海軍”兵士達が構える4門の携行砲がそれに応じて火を噴いた。
『ア゛ァ゛ッ!?』
出会い頭の砲撃に、回避や防御といった対応をする暇はない。4発の砲弾はそのまま、艦隊の中程を進んでいたホ級flagshipに突き刺さる。
火の玉が四つ、20mを誇る巨体の表面で膨らむ。1発はホ級の側頭部に直撃し、爆圧でお鍋を被ってるみたいな形状の奴の頭部が激しく右にぶれた。
『オォ………ガァアアッ!!!』
敵は、非ヒト型とはいえflagship。幾ら“海軍”でも、歩兵の携行火器数門の一斉射では倒せない。
ホ級は一瞬仰け反り蹌踉めいたが、すぐに態勢を立て直すと私達の方を向いて一声吠えた。背中の三段重ねの連装砲が、錆び付いた音を立てて私達の方に向けられる。
「────五月蠅いよ」
『グギェッ……』
『ア゛ア゛ッ!?』
だが、その時には既に、私達の下から放たれていた“五発目の弾丸”が距離を詰めている。
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